2010737 ランダム
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第5話 Jr襲来編

第5話 Jr襲来編

これは、平和な日常に起こった、ささいな出来事のお話。


「やあ、ボク、ドラゴえもんJr。
ドラゴえもんの弟分さ!

え?Jrなら、子分じゃないのかって?
つまんないとこ、突っ込んじゃダメだって!

じゃあ、自己紹介の続きをするよ。
ボクは23世紀の未来からやってきたヤンキー型ロボットさ。
でも、もう足を洗ったから、それは昔の話。
元ヤンキー型ロボットドラゴえもんJr、略して元ヤンJr!
兄貴分であるドラゴえもんから、ジャイアンな性格と好戦的な性格を受け継ぎ、なおかつ、表面上、好青年っぽい外観を持つという改良型ドラゴえもんなのさ!

見た目も中身もジャイアンじゃあ、人が寄ってこないからね!
でも、ボクは違うよ。
ジャイアンな内面をひた隠しにして、日々、男前を研究しているんだ。
かなり、研究も進んで、ボクの男前な外見にも磨きがかかってきたよ。
これで、どんな獲物もいちころさ!
え?獲物って何、だって?
そんなこと、突っ込むなって言ってるだろ!
さっきから、うるさいガキだな。
しまいにゃ、温厚な俺様も踊るで、東!

ああ、話が逸れたね。
で、ボクがこんなとこに来たのは、無論、兄貴に会うため・・・・・・、じゃないよ、当たり前やんけ!
なんで、こんなとこに来てまで、あんなジャイアンと会わにゃならんの?
ボク、嫌いなんだよ、ああいう性格の人って。

全然話が進まないねえ。
ボクが来たのは、なま太っていうガキのおもりをするためさ。
ドラゴえもんを送り込んだ、なま太一族の子孫達が、あまりに効果が出ないので、第二の助っ人を送り込んだって訳さ。

要するに、兄貴はクビってことだよ。
まあ、厳密に言うと、保護観察処分なんだけどね。
で、その観察役がボクって訳。
もし、兄貴が駄目な場合の後任を兼ねてね。
そのことは、当然、兄貴には内緒だよ!
言うとキレて暴れ出すからね!

まあ、しばらくは黙ってそばについていてさ、逐一行状を報告すれば、速攻でクビ確定で更迭間違い無しだね。
その後、ボクがなま太とか言うひょろいガキを、シモベにして好き放題、この時代で遊び呆ける、という計画さ!

え?そんなことをしたらなま太の子孫が困るだろうって?
なに甘い事を言ってるんだよ。
仮に兄貴やボクが、なま太ってヤツを助けて幸せにしてやったら、ボクらの仕事は終わってしまって、お払い箱になるんだよ。
ボクも兄貴も、真面目に仕事なんかする訳無いじゃん!
馬鹿だよね、なま太の子孫って!

さあて、そんな訳で、なま太を探してるんだけど、一体何処に住んでるんだろう?
大体、この辺だと思うんだけどな。

え?君、なま太の家を知ってるのかい?
ちょっと、道案内頼むよ。

いやあ、助かったよ。
実は、なま太なんてガキのことは全然調べて来なかったので、顔も知らないんだよ、どうせアホづらしてるんだろうけどね、あっはははは!

ん、もう着いたのか?
ずいぶん、近かったな。

あれ?さっき、君が出てきた家の前に、兄貴が立ってるよ。
どうしてだろ?

あ、君、何処に行くんだい?」




「ドラゴえも~ん、この人、ドラゴえもんの知り合い?コウニンのホゴカンサツする人なんだって言ってるんだけど?」

「知っとるわ!!さっきから、家の回りをぐるぐる回りながら大声で喋っとったやろうが!!!!」

「えええ!家の回りをぐるぐる!?」

「知らない人だから、すぐに家に連れて行ったら危ないかなと思って、三周くらい回っちゃった。ドラゴえもんが出てきてくれなかったらどうしようかと思ってたところだったよ。」

「ふっふっふ、小鬼くん。すっかり話は聞かせて貰ったよ。」

「あ、兄貴!!しゃべり方が変ですぜ!」

「これから、あの世に旅立つヤツが、細かいこと突っ込むんやない!」

「な、なにを言ってるんです?ワタクシはお兄さまの味方でございますよ!?」

「男からお兄さま呼ばわりされても、キモいだけなんじゃあああああ!!!!!!!!!」

「へぶし!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」











「ふっ、星になりよったか。短い人生やったのお。」

「自分でやっといてよく言うよね。」

「なま太!なんか言うたか?」

「そろそろ、おやつの時間だねって言ったんだよ」

「ようし、おやつ食いに行くぞ!」

「あ、待ってよ、ドラゴえも~ん!」

平和な日常に起こった、ささいな出来事のお話でした。

続くのかな?


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